毒物劇物取扱責任者試験の概要
1. 試験の目的
毒物や劇物の適正な管理・取扱いを担う「毒物劇物取扱責任者」としての知識を測る試験です。合格者は、都道府県知事の登録を受けて毒物劇物取扱責任者となり、一般販売業や製造業、輸入業などで責任者として従事できます。
2. 受験資格
多くの都道府県では特に受験資格はなく、誰でも受験可能です。ただし、自治体によって異なる場合があるため、受験要項を確認してください。
3. 試験内容
試験は筆記試験で、主に以下の科目から出題されます。
- 法規:毒物及び劇物取締法、薬機法(旧薬事法)関連
- 基礎化学:化学の基礎、化学反応、物質の特性など
- 毒物・劇物の性質と取扱い:各種毒劇物の名称、性質、管理方法、取り扱いの注意点
毒物劇物取扱責任者試験には、以下の3つの試験区分があります。
① 一般試験
- 対象:一般的な毒物・劇物を取り扱う業務を行う場合に必要
- 試験内容:
- 法規:毒物及び劇物取締法、化学物質管理法など
- 基礎化学:化学の基本知識(化学結合、酸塩基、溶液、化学反応)
- 毒物・劇物の性質と取扱い:危険性、取扱い方法、応急処置など
- 特徴:
- 最も一般的な試験
- 化学系の知識が必要
②農業品目試験
- 対象:農薬や農業用に使用される毒物・劇物を取り扱う場合に必要
- 試験内容:
- 法規:毒劇法に加え、農薬取締法や関連法規
- 農薬の化学:有機リン系・カーバメート系など農薬の種類と作用
- 農薬の取扱い:適切な保管・使用方法、環境への影響
- 特徴:
- 一般試験より農薬に特化した内容
- 農業従事者向け
③ 特定品目試験
-
- 対象:特定の毒物・劇物のみを取り扱う場合に必要
- 試験内容:
- 法規:該当品目に関する法規制
- 対象物質の化学:指定された毒劇物の性質・用途・危険性
- 取扱い方法:該当品目の安全管理、事故時の対応
- 特徴:
- 取り扱う品目が限られるため試験範囲が狭い
- 企業などで特定の化学物質を扱う場合に適している
試験の難易度
- ①一般試験が最も受験者数が多く、化学知識が必要なので難易度はやや高め。
- ②農業用品目試験は農薬に特化しているため、農業従事者には馴染みやすい。
- ③特定品目試験は対象範囲が狭いため、必要な知識は限定的。
① 一般試験と②農業品目試験の難易度はそんなに変わりません。受験をされる方は一般試験を受けてください。なぜなら農業品目試験なら農業品目だけ特定品目試験なら特定品目だけしか扱えませんが一般試験なら農業品目と特定品目に関わらず扱えるからです。
どの試験を受けるかは、あなたの業務内容に応じて選択してください!
4. 合格基準
試験科目は共通ですが試験内容は各都道府県によって違い、難易度も各都道府県によって違います。したがって、志願者によっては自分の受験するところの難易度が高い場合は問題や合格率を見て近隣の他府県で受験するのも一つの方法です。多くの都道府県では、各科目で6割以上の得点が合格ラインとされています。ただし、基準は変更される場合があるため、最新情報を確認してください。
5. 試験の実施時期
都道府県ごとに年1回~数回実施されます。申し込み時期や実施日程は自治体の薬務課などの公式サイトで確認できます。
6. 受験料
受験料は自治体によって異なりますが、おおよそ6,000円~10,000円程度です。
7. 合格後の手続き
合格者は都道府県知事に登録申請を行い、毒物劇物取扱責任者としての資格を取得します。資格は更新不要ですが、実際に業務を行う場合は各事業所の責任者として登録が必要です。
8. 参考書と勉強方法
・「毒物劇物取扱者試験対策テキスト」
・過去問を解きながら法規や化学の基礎を習得する
・自治体によっては参考資料を公開している場合もあるため、確認する
受験予定の都道府県の試験概要を事前にチェックし、計画的に学習しましょう。
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