基礎化学
物質とは
a.純物質・・・成分・性質も同じもの
b.元素 ・・・もうこれ以上分けることのできないもの
c.単体 ・・・一つの元素からできているもの
d.化合物・・・二つ以上の元素からできているもの
e.混合物・・・純物質の2種類以上が混ざり合っているもの
同素体 SCOP(スコップと覚える) S(硫黄)C(炭素)O(酸素)P(リン)の同じ元素でできているものだが性質がちがうもの (例 酸素O2とオゾンO3)
物質の構成
a.原子・・・物質を構成する最小の単位で原子核とその周りをまわっている電子からなる。
b.原子核・・・正の電荷をもつ陽子と電気的な正負の電荷を持たない中性子からなる。
c.同位体・・・原子番号は同じ質量数が異なる元素。
ウランの同位体元素
d.分子・・・原子があつまったもの
e.原子の構造
中心に陽子と中性子が集まった原子核がありその周りを電子がまわっています。
g.結合
共有結合・・・・各原子が電子を出し合って電子対をつくり、その電子対を共有することによってできる結合 (例)ダイヤモンド(C)、黒鉛(C)、ケイ素(Si) 窒素(N)
イオン結合・・・原子間の結合において、一方の原子が陽イオン、他方の原子が陰イオンとなり、静電気的引力(クーロン力)によって結びつく結合 (例)塩化ナトリウム(NaCl)
金属結合・・・自由電子による金属結合と金属結合による結合
分子間力・・・離れた分子同士に働く力
結合の強さ 共有結合>イオン結合>金属結合>分子間力
h.化学式
組成式・・・HCl(塩酸)
分子式・・・C6H6(ベンゼン)
構造式・・・水 H-O-H (単結合) 二酸化炭素 O=C=O(二重結合)
示性式・・・CH3COOH(酢酸)
i.物質量
1モル(mol) 6.02×10(23剰)個あるということ 原子も分子も共通
物質の変化とその性質
a.化学変化 水ができること 2H2 + O2 → 2H2O
b.分解 水の分解 2H2O → 2H2 ∔ O2
c.物質の3態
d.状態変化
融解・・・個体が液体になること
凝固・・・液体が個体になること
蒸発・・・液体の表面から気体が発生する
凝縮・・・気体が液体になる
昇華・・・個体が気体になる、気体が個体になる
沸騰・・・液体表面だけでなく液体内部からも激しく蒸発が起こる現象
潮解・・・空気中の水分が取り込まれて個体が液体になること
風解・・・結晶水をもつ個体から空気中で一部または全部が失われる現象
比重・・・4度Cの水1ccと比べてのその重さ
気体と溶液
a.アボガドロの法則・・・すべての気体は同温、同圧で同体積の場合、その気体の種類に関係なく同数のを含む。0度C、1気圧の標準状態、1molの気体は22.4リットルとなる。
b.ボイル・シャルルの法則
P=圧力 V=体積 T=絶対温度(273+t)
c.コロイド
親水コロイド・・・親水基をもったコロイド粒子が水中に分散することで表面に多くの水分子を吸着したコロイドのこと。
疎水コロイド・・・親水基をもたないため表面に水分子の吸着が少ないコロイドのことをいう。
チンダル現象・・・コロイド溶液の側面から光を当てると光の通路が明るく輝いて見える現象
ブラウン運動・・・コロイド粒子が不規則に運動する現象
凝析・・・・・疎水コロイドの溶液に少量の電解質を加えることでコロイド粒子が沈殿する現象
塩析・・・・・親水コロイドの溶液に多量の電解質を加えることでコロイド粒子が沈殿する現象
電気泳動・・・コロイド溶液に電圧をかけたとき、コロイド粒子が正または負の電荷を帯びている電荷と反対側の電極に移動する。
化学反応におけるエネルギ-
a.熱化学方程式 (→で書かないで=で書くこと)
反応熱の種類 ①生成熱 ②燃焼熱 ③溶解熱 ④中和熱
①生成熱 1molが生成するときの熱量
1/2N2 + 3/2H2 = NH3 + Q(kJ/mol)
②燃焼熱 1molのメタノ-ルが燃焼するときの熱量
CH3OH ∔ 3/2O2 = CO2 ∔ 2H2O + Q(kJ/mol)
③溶解熱 1molの物質が解けるときの熱量
NaCl ∔ aq(水)= NaClaq - Q(kJ/mol)
④中和熱 酸と塩基が中和反応して水1molができる
HClaq + NaOHaq = NaCl + H2O + Q(kJ/mol)
***熱化学方程式の計算***
C + 1/2O2 = CO + 110.6(kJ) ・・・(1)
CO ∔ 1/2O2 = CO2 + 283.7(kJ)・・(2)
(1)+(2)を整理して 炭素と酸素の生成熱は
C + O2 = CO2 + 394.3(kJ)
酸・塩基
a.酸・・・・・水素イオンがでるもの、金属と反応したら水素ガスをだすもの、青色リトマスを赤に変えるもの
b. 塩基・・・・水酸化イオンをだすもの、赤色リトマスを青色にかえるもの
c. 中和反応・・・ 酸と塩基が反応して塩と水ができる
(例) HCl ∔ NaOH → NaCl(塩) + H2O(水)
塩とは酸の陰イオンと塩基の陽イオンが結合したもの
d. 中和の問題) 硫酸39.2g中和するのに濃度が2.0mol/リットルの水酸化ナトリュウム水溶液はいくら必要か
答)硫酸 H2SO4 原子番号 H=1 H2で2 S=32 O=16 O4で16×4=64
H2SO4の1molの質量は 2 + 32 + 64 = 98 39.2 / 98 = 0.4 mol
H2SO4 + 2NaOH → Na2SO4 + 2H2O この式から硫酸1molの中和には水酸化ナトリュウムは倍の2mol必要なので硫酸0.4molには水酸化ナトリュウムは0.8mol必要だ。2.0mol/リットルの水酸化ナトリュウム水溶液は1リットルに2mol入っているのだから0.8molでいいのだから
1リットル : 2mol = x : 0.8mol
2x = 0.8 x = 0.4 リットルということになる
e. 規定濃度の問題・・1リットル中に含まれる分子量で酸や塩基の価数をかけたもの
問題) 0.1(mol/リットル)のリン酸溶液の規定数 Nで表す
リン酸はH3PO4で3価の酸なので規定濃度は 0.1 × 3 = 0.3 N
f. 水素イオン濃度とpH 純水では25度で1リットルで10(-7)乗の水素イオンH(+)と水酸化イオンOH(-)が電離している。この場合の水素イオンH(+)の濃度を水素イオン濃度という。
水素イオン濃度指数 ・・・ pHであらわされ7より小さいと酸性が強くなっていきになっていき7より大きいとアルカリ性が強くなっていく。
g. 塩の加水分解・・・ 塩化ナトリュウム(NaCl)や炭酸カルシュウム(CaCO3)などの塩が水に溶けて酸または塩基の分子ができその水溶液が酸性またはアルカリ性を示す反応をいう。
問題)pH=2 の水溶液の水素イオン濃度は、pH=4 の水溶液の濃度の何倍か
答) pH=2 は 10(-2)乗で-1/100 pH=4 は 10(-4)乗で-1/10000 でph2が
pH4より酸度が100倍強い。
酸化・還元反応
a. 酸化・還元の反応
酸化・・・電子を失う。酸素と化合する。酸化数が増加。水素を失う。
還元・・・電子を得る。酸素を失う。酸化数が減少。水素と化合する。
酸化還元反応の例
2Zn + O2 → 2ZnO
・Znは電子を失いOと化合するので酸化し酸素は電子得るので還元する。
b. 原子やイオンの電子の増減
単体の C や O は酸化数はゼロとする。
例) アンモニアのイオンの酸化数 NH4(+) (-3)+(1)×4 = 1
炭酸イオン CO3(2-) (+4)+(-2)× 3 = -2
c. 酸化剤と還元剤 酸化剤・・・相手の物質を酸化する
還元剤・・・相手の物質を還元する
元素と化合物
a.無機化合物
金属元素
比重がほぼ4以下・・・軽金属(アルカリ金属、アルカリ土類金属 アルミニュウムなど)
比重がほぼ4以上・・・重金属(すべての遷移元素、一部の典型元素 Hg、Pb、Tl など)
炎色反応 リアカ- 無き K村 動力 馬力
Li(赤) Na (黄)K (紫) Cu(緑) Ba(緑)
イオン化傾向 イオンになりやすい順序
貸そう か な ま あ あ て に す な ひ ど すぎる 借(白金)金
K>Ca>Na>Mg>Al>Zn>Fe>Ni>Sn>Pb>H>Cu>Hg>Ag>Pt>Au
有機化合物の構造
示性式 | 一般名(化合物群) | 化合物の例 | 備考 |
---|---|---|---|
R-OH | アルコール | エタノール(C₂H₅OH) | R はアルキル基 |
R-COOH | カルボン酸 | 酢酸(CH₃COOH) | 酸性を示す |
R-CHO | アルデヒド | ホルムアルデヒド | 還元性あり |
R-CO-R’ | ケトン(またはケトン類) | アセトン(CH₃COCH₃) | 炭素骨格中にカルボニル基 |
R-O-R’ | エーテル | ジメチルエーテル | 揮発性が高いものが多い |
R-NH₂ | アミン(第一級) | メチルアミン | アンモニアの誘導体 |
R-NH-R’ | アミン(第二級) | ジメチルアミン | |
R-NR’R” | アミン(第三級) | トリメチルアミン | |
Ar-OH | フェノール類 | フェノール | Ar は芳香族基 |
Ar-NH₂ | アニリン類 | アニリン | 芳香族アミン |
R-CONH₂ | アミド類 | アセトアミド | |
R-COOR’ | エステル | 酢酸エチル | 芳香性や香料に利用される |
R-SH | チオール | メタンチオール | においが強いことが多い |
異性体について
異性体とは、同じ分子式を持ちながらも、構造や性質が異なる化合物のことです。異性体は、化学構造や空間的配置の違いによって以下のように大きく分類されます。
1. 構造異性体
例:ブタン(C₄H₁₀)とイソブタン
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ブタン(直鎖)
CH₃–CH₂–CH₂–CH₃ -
イソブタン(分枝)
CH₃
|
CH₃–CH–CH₃
どちらも同じ分子式(C₄H₁₀)ですが、炭素のつながり方(骨格)が異なります。これにより、沸点・融点などの物理的性質も変わります。
2. 官能基異性体
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エタノール:CH₃–CH₂–OH(アルコール)
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ジメチルエーテル:CH₃–O–CH₃(エーテル)
同じ原子数で構成されていても、官能基(機能を持つ原子団)が異なるため、まったく違う性質を持ちます。エタノールは水に溶けやすく、可燃性液体。ジメチルエーテルは気体で、燃料や噴射剤に使われます。
3. 位置異性体
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1-ブテン:CH₂=CH–CH₂–CH₃
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2-ブテン:CH₃–CH=CH–CH₃
両方ともアルケン(C=Cを含む)ですが、二重結合の位置が違います。これにより反応性や安定性などが異なります。
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